惑星ワカバの海はできたばかりだった。つまり若葉マークだった。
そこで惑星ワカバは考えた。やはりベテランのアドバイスをもらって、海を豊かにすべきだろう。
惑星ワカバはあらゆる先輩の勧める生き物を海に生息させた。宇宙のどの惑星よりも豊かな海が出来上がった。
惑星ワカバは海を自慢した。
しかし、1つ問題があった。先輩惑星の1つに生息するグレートシャークに匹敵する強力な魚がいなかったのだ。
惑星ワカバはこっそりグレートシャークを1つがい盗みだし、それを自分の海に放った。
……そして、惑星ワカバの海の全てはグレートシャークに食われた。
(遠野秋彦・作 ©2012 TOHNO, Akihiko)